会員 各位
ペン型注入器の患者間共有防止の徹底について
日本医療機能評価機構はこのたび、ペン型インスリン注入器を複数の患者に使用した事例について医療安全情報(No.234)を2026年5月15日に公表し、注意喚起を行いました。
ペン型注入器は、インスリン製剤のみならず、GLP-1受容体作動薬やGIP/GLP-1受容体作動薬などにおいても広く使用されています。近年、これらの注射製剤の使用機会が増加しており、注入デバイスの適正管理の重要性はますます高まっています。
ペン型注入器は患者ごとの専用使用が原則です。注射針を交換した場合であっても、血液や体液がデバイス内部へ逆流する可能性があるため、他の患者へ使用してはなりません。患者間で共有された場合、血液媒介感染症の伝播を含む重大な医療安全上のリスクが生じる可能性があります。
日本くすりと糖尿病学会では、糖尿病診療に関わる医療従事者のみならず、これらの注射製剤を取り扱う全ての医療従事者に対し、改めて以下の事項の確認をお願いいたします。
【確認事項】
・ペン型注入器は患者ごとの専用使用であることを医療従事者間で共有し、患者さんにも継続的に説明する。
・病棟、外来、在宅医療、高齢者施設等において適切な保管・管理体制を整備する。
・インスリン製剤およびGLP-1受容体作動薬等の注入デバイスに関する適正使用教育を継続的に実施する。
・新規採用者や異動者への医療安全教育において重点項目として取り上げる。
・インシデント事例を多職種で共有し、再発防止策の検討を組織的に行う。
注入デバイスの適正使用は、安全な薬物療法を継続するうえで薬剤管理と同様に重要です。会員の皆様におかれましては、施設内の運用状況を今一度ご確認いただき、患者間共有防止の徹底にご協力くださいますようお願いいたします。
【参考資料】
日本医療機能評価機構 医療安全情報 No.234
「ペン型インスリン注入器の複数の患者への使用」
https://www.med-safe.jp/pdf/med-safe_234.pdf
2026年6月8日
日本くすりと糖尿病学会